そして建物が建ってゆくとリアルに外構の必要性を感じてくる。
「外構なんてあとから出来るわぁー」なんて事を言うと、我が家は絶対に後からほったらかしになるのは火を見るより明らか。
テレビの横の観葉植物が物語る。

「なぁ、のんちゃん外構どないしよ??」

「ん?決めたやんっ!カンザスサイディングで!!」と元気良く。

・・・・。 「の、のんちゃんそれは外壁。僕が言うてるのはガ・イ・コ・ウ。お庭。」

そう、外構工事は建築物には含まれない。当然だが妻は実際に家を建てるまでお庭もセットと思い込んでいた。案外そう思っている人も多いのではないだろうか。

 

そしてインターネットなどで問い合わせをするが、なかなかベストな業者と出会えない。
中には「プランと見積もりは有料です。もし無料でとお考えでしたら他を当たってください・・どうとかこうとか・・」と門前払いを受ける。さぞかしすばらしいデザインを持ってくるのだろ うが、
残念ながら諭吉に余裕がないので他を当たる。
確かに良い素材を使えば俗に云う「良い外構」が出来るかもしれない。しかし「良いデザイン」は予算をかけなくても可能ではないか。
しかし、外構には機能と強度も必要。そこをケチるわけにはいかない・・・。 どこかに、デザインセンスの良い業者は無いものだろうか
・・・。 そうこうしているウチに家の建築が始まる。あせってくる。 そう・・玄関ポーチの形状も基礎の段階で決定となってしまうのだ。外構で階段を延長するならばそのことも考えておかなければならない。もはやタイムリミットはすぐそこなのだ。
思い当たる外構業者にかたっぱしたらコンタクトをとる。


 裕花園さんと出会う
 

そしてちょっとした縁で裕花園さんという業者さんを紹介いただく。 なかなか良いデザインが考えられないので、ワラをもすがる思いで訪ねてみる。
友人に顔のソックリな方が待ってくれている。名刺を頂く・・・西村さん。・・・んっ!!社長様ではないかっ。僕と年もさほど変わらない感じですが・・。

「早速ですがどのようなイメージを持たれてます??・」と
ヤバイなぁ・・・イメージがないのよ。。
「ほんとに申し訳ないんですけど、全く勉強不足で何にも浮かんでおりません・・・汗」 そして困った我々に大量の資料を見せていただく。ありがたい。買おうか悩んでいた書籍もあるではないか。
この中に「こんな感じ・・」と言うものはありますか??
うーーーーーーーーーーん・・・・・。 ざっと目を通していく。
アカン・・・アカンよ。昨夜から今朝まで京都で友人と飲み明かしてしまい、始発で帰ってきたばかりで 頭が死んどる・・・。きっと西村さんは「金髪のヤバイ兄ーちゃんやでぇ・・ほんまにデザイナーかいな??」と思われていることだろう。出していただいたコーヒーを一気に飲み干す。
妻も「デザインはかっちゃんに任せるわ。」と、見せて頂いたカタログの表札コーナーをみて楽しんでいる。。
「と、とりあえずですね・・・全面の土止めと門柱、門扉、そして実は全面 に風呂場が来ているので、シルエットが丸見えにならないように木とか植えたいのですが・・・レンガよりかは石が好きです。我家に似合う感じで・・あ、プロバンス風とかは苦手です。」と基本的な外構を相談する。

1週間後、裕花園さんから連絡を受ける。プランが出来ました。とのこと。
さっそくお伺いにいく。 ほーーーーっ!!!! ようあれだけのお話でここまで書いてくださいました。と感動する。
必要なモノは全て入っている。
金額は・・・・130万円っ!!!!!
うっ!!!安いのは分かっている。。。それは分かっている。。
しかし正直キビシイ。
「デザイン的にイケてなかったり、ここはこうしたいとかあったら言ってくださいね!とりあえず必要なモノを盛り込んだタタキ台ですから。」と西村さん。
「いえ、まぁ、こんな感じかな・・と思っております。問題はないでしょう。ありがとうございます」
そして細かく金額の説明をしていただく。全てナットクいく価格。しかも施工も全て外注が無いので それぞれの金額は安価に納まっている。

  

これはデザインの世界でも同じだが、社内にデザイン部門があれば内部で出来るので価格操作も容易だが、外注となると、かかった分はキッチリ請求がくる。
しかもそこに利益を載せないと経営できないので20〜30%乗せてお客様に見積もりを出す。
種明かしをすると、 例えば電●とかいう大手広告代理店はデザイン部門を持っていない。 発注が来れば企画だけを社内で行い、デザイン製作を外注にまくる。そして外注先の見積もりから倍以上上乗せして請求してくる。それが世の中の適正価格として根付く。
我々はそういった代理店からの仕事も請け負っているが、エンドユーザー様から直接依頼が来た時に デザインのクオリティーに対しての見積もりが異常に安い事に驚かれる。
中間マージンが発生していないので、当然その分安くなる。
恐らくよく似たような現象が起こっているのだろう。

それでもどこか省けるところはないか?と図面 を見渡すが、必要最低限にとどめた今、もはや省けるところは見あたらない。。常識で考えても駐車場に普通 車4台止められ、建物までの高低差をクリアするエントランスや土止めの施工面 積もかなりのものになる。
この広さにしてこの価格はかなり安いのだ。
うーーーーーーん・・・・またもや図面を血眼でにらみつける。
「い、伊藤サン・・・・現場でお手伝いいただければ、、少しはお安く・・・」
えっ?!お手伝い???? これは面白そうや。
節子っ!一緒に庭を手伝てみるか! ということでその場を後にする。


初回のデザインラフ

 

 2回目のデザインラフ
 

「なぁ、のんちゃんはどこでお願いする?デザインやら価格は別 として・・・」
「私は裕花園サンかな・・・なんか活き活きしてはる」
「そやな・・・そんな気がするな」
外構業者も沢山相談に行っていろんな人と出逢わせていただいた。
しかし裕花園の西村さんだけは、他とは違う匂いを感じた。これはうまく表現できないが 経営者でありながらビジネスを越えて「作り手である」という意識をしっかりとお持ちであるのだろう。
妻も歯科技工士という職人であり、私もデザイナーという作り手である。恐らくそのアタリのニュアンスが マッチングするのだろう。
「のんちゃん、やっぱり外構、60万の予算なんて言えんな・・・汗」
「うん・・どうする?」
「でもな、我が家は外構しとかなアカン土地やん。なんとかあと70万円現金で集めてみるわ。」
そう、プロの方が130万円と言うなれば、それはそれで受け入れたい。基本的に意味もなく値切るような事はしたくない。これは僕とて作り手の立場であるので、意味無くデザイン代を値切られるとやる気も失せる。
我々のスタンスを理解していただいた上で130万円かかるとおっしゃられているのなら、130万円集めようではないか。
もう最後の力を振り絞る。もはや振っても何も出てこない。

そして130万円キッチリ現金で集め、いよいよ第二段階へと移る。 つまりこの予算の中でデザインを盛り込むのだ。基本的な考え方は問題ない。 あとはデザインだけだ。。これだけの施工でこの金額なら、レイアウトを変えても金額には大差はないのではないか。
そして夜な夜な資料を見まくる。人様のお宅を観察する。 それでも我が家にぴったりの外構が見あたらない。
・・・・・。初心に帰ればどうか・・・そうカナダホームのツインハートの外構はどうなっていた??? もう現物が取り壊されて無いために記憶を辿るしかない。
オープンなイメージで、なんだかリゾートホテルのような印象だった。 広い階段、中央に円柱の花壇。それを中心に逆側はスロープ・・・。印象のわりに、意外に施工面 積は狭かったように思う。
広い階段・・・・。これやっ!!!!
節子っ!!!門柱っているか?
「ピンポン押すところがあったらいい。」
節子っ!がっちりと全面の要壁は居るか?絶対に車は普通車4台必要と思うか?
「前ガチガチにしても、両となり空き地やしどっからでも入ってこれるねん。。別 に無くてもいいよ」
なるほど。今まで見てきた概念を捨ててみよう。
とりあえず比較的高額になる門柱を捨てよう。
そして広い階段スペースを設けて要壁部分を減らそう。 そう、全面 の駐車スペースが広いのだ。少々大胆にデザインしても問題ないだろう。
頂いた図面に上からラフデザインを描き起こす。当然施工のことは全然わからないので、 あくまでイメージ。思うように描きなぐる。

そしてそれを裕花園さんに持っていく。 もはや真っ黒になった図面 を差し出す。
このようなイメージはどうかと思いました。図面の上から描き殴っているので 再現できるかどうかわかりませんが、一旦このような感じで図面 を描いていただけますでしょうか。 もちろん使い勝手は重要ですので、実現しても違和感の無いように調整していただきたいのですが・・・。

数日後、プランが出来ましたとの連絡を頂く。

完璧や・・・・。完璧に再現できている。 しかもセンターの花壇を8角形にしていただいて。。これは我が家が基本的に8角形デザインなのでそのあたりを踏襲して頂いたのだろう。エエ感じや。ここまで思い切ったオープンな外構はなかなか無いで。 我が家のデザインにピッタリとマッチしてる。グっと家全体が落ち着いたように見える。 すばらしい。1発でここまで我々のテイストを理解して描いてくるとは・・・。さすがとしか言いようがない。即OKを出す。もちろん金額は据え置き。
初回のプランと見比べても価格が同じとは思えない。
しかし、よく見ると施工面積が狭くなっている事がわかる。良いか悪いかは好みの世界としても、僕から言わせていただくと同じ金額を払うのなら間違いなく後者を選ぶ。
つまり当初から願っていた「予算を抑えても良いデザインの外構は出来る」という信念をクリアできたように思う。

有限会社 裕花園 
滋賀県東近江市五個荘竜田町577-1
TEL 0748-48-8401
お問い合わせの際には「トーテムの外構を見た」と言ってください。

  



図面を見てみる。