建築2年前
なぁーやっぱここで家賃15,000円で2年間ため込もう。
へーベルが一番思ってるイメージに近いわ・・。 と、
住宅とはおよそこういうモノで他に選択肢もなければ、木造やプレハブ鉄筋のイメージしか無かった。
ココ最近の住宅のデザインはそれこそ日本特有の和洋混在型。今やそれが「日本の住宅」となってきているのではないかな・・・。
いきなり妻が妙な事を口走る
「わたしレンガのお城に住みたいなー・・・」
ななななな、何を言う? 妻の口からそんな事が・・・
実は内緒にしていたが、本当は僕は塔のそびえ立つお城を建てたいのだ。小学生の時に目にしたどこかのお金持ちが建てた塔の家を。。
「見せたいものがある」
そういって最寄りの輸入住宅に駆け込む。カナダホーム。輸入住宅の最高峰。平気で億単位
の家を建てる輸入住宅専門業者。
小学校の時に見たお城の家もここが建てたと風の噂で聞いていた。
モデルハウスに入った瞬間、妻の目が変わる。
「キャァー!!こんな家がいいっ!!」
そうか!そうか!!でかしたぞ。 いきなり担当者を捕まえて、話しを始める
「とにかく、僕たちの夢を聞いてください」今までの「家建てちゃおっかなぁー。土地もお金もあるしねー」的なアプローチをやめ、本当の所から話しを始めよう。格好つけないで現状をしっかりとお話ししよう。
それから必要な部屋と用途の説明を始める。
恐る恐る・・・。
「可能ですよ。」担当者はニコニコとしてそう答える。「土地をお持ちですよね・・どのへんに?」
僕はすかさず図面を差し出す。
「で、おいくら万円ほどに・・・?」ビクビクしながら聞いてみる。
「わかりません。(ニコニコ)けっこういくんじゃないですか?」ニコニコ。
そらそや。天下のカナダホーム。ぼくら虫ケラには遠い存在や・・・。二人に諦めムードが漂う・・
「とにかく1週間後に来てください。プランと金額をご提示させていただきます。」
「む、無料ですか・・・?」
「もちろんです!」
帰りの車の中で
「多分6千万円超えると思う。。。実際、家に使えるお金は3千万円が限界やで。それも土地が、僕の実家の隣で、田舎で、消防団とかウルサイ村に住んで・・の事や」
「私はかっちゃんの実家の隣はかまへんねん・・・かっちゃんはその土地でもええのん?」
「・・・わからん。伊藤家先祖代々で、長男やしな。」
どうしたもんか・・・
そして約束の1週間が過ぎる。
一応笑われに、二人はカナダホームの高い敷居をまたぐ。
担当者が快く迎えてくれる「お待ちしておりました」
いきなり「社長、○○さんの件ですけど・・」とスタッフが担当者に囁く
・・しゃ、社長!? 先日の名刺をこっそりと確認する。。代表取締役社長・・・・
あぁ、一営業担当者だと思い込んでいたのが実は社長サン。。。すまんのー。僕らのひやかしにつきあってもらって・・・。
そして図面を見せていただく。若干の修正は必要なものの、ほぼイメージ通
りの図面。憧れた全てもモノが網羅されていた。広さは延床60坪。
「やはり60坪は必要でしたね。。でも伊藤さんの土地なら全然余裕ですよっ。」
「かなりいい感じですねっ!できるんやー・・・さて、金額にしておいくらでしょう・・・」
「ざっくりと2700万円ですかね。」
な、な、な、なにっ!?安い!!!安いよぉーーーっ!!
「広くなると坪単価が落ちますからね。40坪でも2千万円くらいじゃないですか。ほら住宅で必要なものは決まっていますから、あとは部屋が増えるだけでしょう。材料費と工賃が増えるだけです」
|
|
なるほどーーーっ
「カナダホームは正直高いです。しかしセルコホームというのもこちらで扱っております。伊藤様の図面
ではセルコの規格には当てはまりません。ですので、そういう部分をカナダホームの方で補っていくという感じですね」
「わかりました。ありがとうございます。我々はこれから結婚式をし、そして雇用促進住宅に2年住みます。これは無駄
な家賃を払わず、僕の借金を返す期間も含まれております。ですので家を建てるのは2年後がメドになってます。これを早める事はできませんがよろしいですか?」
「もちろんです。じっくりと考えて頂ければ結構です。」
そしてカナダホームを後にした。
現実になるんやーーーっ 塔も暖炉も音楽室、図書室、工作室、引き籠もり部屋全部揃ってる!!!
我々夫婦は大喜び。
「のんちゃん!輸入住宅っていうのは、なんとなく世間からの風当たりが悪かったりするぞ」
「のんちゃん、この先輸入住宅はカワイイけど、どうとかこうとか・・・と言ってくる人たちがいるぞ」
「のんちゃん!今はいいけどすぐ飽きる・・・とか、なんでワカメちゃんはおかっぱなの?とか、なんだかわからんけど意味不明な原因で反対してくる人たちが居るぞ。」
「のんちゃん、輸入の木は日本の風土には合わない・・どうとかこうとかって言うてくる人も居るぞ。しかし、今、輸入に頼らない住宅メーカーがどこにある?」
だけれども、正直、デザイナーの眼で話しをさせてもらおう。今日見たモデルハウス、全部築8年以上経ってる。ボロさを感じるか?古さを感じるか?むしろ味が出てきているだろう。型オチやはやりというものには縁遠い。洗練されたデザインやぞ。
生活の導線ばかりを考慮した住み易い家はデザインを殺す事になるだろう。
デザインばかりを追いかけた住宅は住みにくいだろう。
ただ広さを追いかけた住宅は全てを1部屋でこなすために、どっちつかずの中途半端な部屋が出来るだろう。
幸い我々二人のベクトルは同じ方向を向いていると思う。 自分達を信じてこの方向で走ってみよう!2年後にみんなを驚かせようではないかっ!
そして我々は住宅の話しをピタっとすることなく、無事結婚式を終え(余談ですが吉本興業の芸人サンが来たり・・とかなりおもしろい披露宴/笑)、
昭和の2Kで生活を始め、年に1回はヨーロッパに旅行に行き、子供の居ない新婚夫婦を楽しんだ。
その間も僕はコッソリとカナダホームの展示場を一人で回ってイメージを固めたりもした。
今まで訪れた住宅メーカーからDMや電話攻撃も沢山あったがもはや興味は無くなっていた。
対応に追われなかば面倒になってくる。すまんのーっ
しかし不思議とカナダホームからは1本の電話もない。びたいち無い。もはやヒヤカシがバレバレだったのだろうか?
ただただ、その放ったらかしの対応が今の僕たちには心地いい。
とにかく今は結婚式で大変なのよっ
そして2年が過ぎようとしました。

そのときの60坪プラン
|